最近、上遠野浩平先生の作品を貪るように読んでいるのでその読書感想文でも。
上遠野浩平というとブギーポップシリーズが有名で、その特徴に「あらゆる作品がリンクしている」というのが上げられるんじゃないかと思います。
そんな上遠野浩平が作り出す世界を 上遠野サーガ なんて読んでいる人もいるみたいです。なので、上遠野作品の共通タグは上遠野サーガでお願いします;p
さて、この作品 “機械仕掛けの蛇奇使い” は初版2004年と上遠野浩平氏のデビュー作”ブギーポップは笑わない”よりかなりあとの作品かと思いきや、実はデビュー以前に最終選考まで残った作品だそうです。(正確にはそれのリメイクのリメイクらしい)
なので最近の作品に見られるような過度な上遠野サーガのリンクは少なく、これ単体で読んでも問題ないと思います。(逆にそういう小説が少ないんですよね)
過度な上遠野サーガのリンクが少ない理由として、おそらく、上遠野サーガ歴の中でも最後期に位置するんじゃないかと思います。
そういうときはナイトウォッチ3部作を読んでみればいいと思うよ。
さて、本編。
時は第七文明時代。詠韻技術の濫用により滅びた第六文明の反省から、“小規模詠韻”による文明が世界を支配していた。その世界の中心にある大帝国(ゴウク)を治めるのは、若き王・ローティフェルド。彼が、第六文明の“闘争と破壊の化身”ルルド・バイパーに深い興味を持った時、世界を揺るがす何かが動き始めた…
link: 機械仕掛けの蛇奇使い - Wikipedia
このお話にはロボット?や魔法?、さらには皇帝にお姫様まで出てくる、お手本のようなSF小説です。…もちろん上遠野サーガなのでロボット・魔法なんてちっちゃな枠に収まるような代物じゃないですが。
なんだろう。
読み終わった感想として、普通の上遠野サーガの終わり方に比べて最後に希望の種を蒔いた感じ。たぶんこのお話が続くことは無いと思いますが、それでも、終わりよければ…なのかな;p
あの小説を読んでないと、理解できないというよな事は気にしなくてきちんと話が完結する1冊です。
もしブギーポップのようなダークな雰囲気が苦手という人にとっても取っつきやすいと思いますよ。