さてさて、先ほどChrome OSを使った感想をつらつら書いたわけですが、使って一番に思ったのは「インターネットが簡単にできる」ということ。
感覚的には携帯やiPhoneなんかと同じ。
iPadやAndroid端末というデバイスを前にするとChrome OSなんていまさらGoogle製のオペレーティングシステムなんてなんだか得体の知れないモノのような気がしますが、実体はiPadという複雑なデバイスよりはるかに単純な思想の形です。
「インターネットが簡単に利用出来る」
iPadの電源を入れて、ブラウザアプリを起動する。このブラウザアプリを起動するプロセスがChrome OSなら不要です。なんせChrome OSは電源を入れるとブラウザが起動しているわけですから。
言い換えましょう。Chrome OSはブラウザを起動する以外の事は出来ないワケです。(今のところはね。
個人的には企業向けに普及すると、信じられない可能性を秘めてるんじゃないかと思います。
まぁ、馬鹿な夢物語だと思って聞き流して下さい;p
もしもGoogle Chrome OSが企業に普及したら。
もちろん開発などクリティカルな業務をされている部署にChrome OSを入れるのは無謀でしょう。その辺は既存の開発用のマシンを使い続けるとしても、基本業務でWord,Excel,PowerPoint程度のツールしか使っていない部署やメール処理業務が中心となる部署などの場合、本当にWindowsPCって必要ですか??
Google Appsを利用すればOffceスイートの毎回のバージョンアップについて行く必要もありませんし、キラーアプリのGmailはChrome OSに限らずにどこからでも利用可能です。
なによりも、社内でそれらのリソース管理のために裂かれている人的や金銭的なコストを削減できるという事は大きいように思います。本来のクリティカルなミッションに人的・金銭的コストを集中出来ると言うことが本来のITの目的ではないでしょうか。
ここでよく批判にあがるのはメールなどの重要な情報を外部サービスに依存すること。
自分が言えるのはSLAをしっかりしておけば内部に置くのと全然変わらないと思うのですが、その辺は妙に心配性ですよね。この国。
さて、これだとGoogle Appsの紹介。でも、基本はGoogle Appsとの相性が素晴らしいと言うだけでもGoogle Chrome OSを導入する理由にはなるのですけどね。
自分も実際にネットブックにChrome OSを導入して思ったのが早いという事。もちろんChomeが利用出来るのでWebが早く表示されたりJavaScriptの実行が早い というだけではなく、Windowsならブラウザしか利用しないにしても全力でウインドウ描画のためにエクスプローラやインターネットを利用するためには必要のないサービスなどがバックグラウンドで動作しています。それ以上にアンチウイルスソフトがネットワークやPCを常時監視しているという無駄なモノのせいでかなりのボトルネックになっていると思います。
会社の中のアンチウイルスソフトが利用している帯域とPCリソースを合わせればサーバクラスのマシンを常時動かすくらいの処理能力にはなるのではないでしょうか。そのリソースを業務に投資できるとしたらたいした物ではないですか?
WindowsPCを抱えてる企業の多くはおそらくActive Directoryにて端末管理を行っていると思います。Chrome OSならActive Directoryを超えるシステムを利用出来ます。
そう。Google Appsのアカウント管理機能を利用するのです。企業内部で利用するアカウントを発行しておけば社内情報の管理はGoogle AppsのGmail等のサービスを利用。ユーザーが退職すればアカウントを無効化すればそのユーザーは利用出来ない。一種のシンクライアントのような感じですね。データは全部クラウドにあればいいという考えのシンクライアントと思えば分かりやすいかな。しかも場所的制約を超えることの出来るシンクライアントです。
スケジュール共有はGoogle カレンダーで、Google ドキュメントで社内情報を共有。情報責任者がそれらの観覧権限を一元化しておけばセキュリティリスクも軽減できるのでは?
さらにGoogle Apps Marketで販売されているような拡張を利用すれば特定のネットワーク下からのアクセス以外はログインさせないなどの事も可能なので、社員が勝手に自宅のPCから不正アクセスすると言うことも防ぐことが可能です。
ただ、ブラウザしか利用出来ないChrome OS。
社員がインターネットで遊ぶんじゃないかと戦々恐々している企業があるのなら、WindowsPCに社員監視の専用ツールを入れるよりもっと簡単かつ手っ取り早い方法があります。しかもChrome OSならではの。
Chrome OSは何度も言ってるようにインターネットを簡単に利用するためにブラウザの機能しかありません。という事はインターネットに接続する以外の事をするためのハードルが高いわけです。
という事はですよ、インターネットのGoogle Apps以外へのアクセスを規制するプロキシを間に1台挟んでやれば、それでそのネットワークの配下にある全てのChrome OS端末は制御できたも同然。
まぁ、もっともそのプロキシを迂回するようなスキルのある社員の場合はWindowsPCを与えていても同じような結果になってますよ;p
Chrome OSに必要なのは電源とネットとキーボード・マウス、そしてディスプレイ。
ローカルにHDDが必ずしも必要ではないので、シンクライアントの一種としても考慮に値できるのでは?
皆さんネットブックのような持ち運び可能な端末を思い浮かべているかもしれませんが、EeeBoxみたいな超スリム型デスクトップも十分に考えられます。上でも書きましたがWindowsを起動してアンチウイルスソフトを動かした上で作業するのには厳しいスペックのマシンでもChrome OSなら希望は持てます。
既存のPCのHDDを抜いた上でChrome OSをUSBブートさせるようにしたマシンなら、セキュリティ的にも十分な利用価値があるんじゃないでしょうか。
つらつら書きましたが実現するとは思ってません;p
Chrome OSが普及することが無くてもGoogle Appsは十分に素晴らしいプロダクトだと思います。
可能性としてはChrome OSが普及するよりも、不完全というのは適切じゃないですがインターネットライクな機能しか持ち合わせていないWindows OSが登場する可能性はあるんじゃないでしょうか。クラウド+インターネットに機能が限定されたクライアントサイドOS でITコストが下がり、それに伴って情報の一元管理も可能な未来。
皆さんはどう思います?