野村総合研究所 城田 真琴 ¥ 1,575 クラウドの潮流が良く分かる ITの最新潮流を知っていて損なし クラウドの基本を知るにはいい本 社内のサーバーなんて、無用になる時代がもうすくそこに来ている 日本企業の取り得るポジションの考察があればよりよかったのだが |
今回はTsudaってみました。
yukifujino氏もtsudaっていらっしゃったので重複があるかもしれません。
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ちなみに100名の定員に対して140名の応募があったそうです。
詳しいプロフィールなどは財団法人 ハイパーネットワーク社会研究所 - 第61回ハイパーフォーラムをご覧下さい。
以前自分もクラウドの衝撃 | itFun.jpで書いていますが、名著です。
クラウド入門から経済まで網羅しています。確かにテクノロジカルな部分は専門書を読んだ方が良いかもしれませんが、全体をカバーしていて技術に明るくない人でも意味を理解できるわかりやすさは素晴らしい。
その著者が講演してくれるというのでいかない訳にはいかないでしょ!!
以下内容は別の所に書いたモノのコピペなので、見にくいかも…
第一部 クラウドの衝撃 城田氏講演 memo
城田氏のクラウドの定義
- 拡張性に富むコンピュータ資源
コンピュータ資源の追加が柔軟・簡単
- コンピュータの所在が隠蔽されている
自分が使っているクラウド先のマシンはユーザから見えない Googleの検索を例にとり、検索自体データがどこで処理されていようと利用者はそれを意識していない。重要なのは結果がきちんと要求通りに帰ってくることの方が重要
- 課金形態
参入コストが低く、使った分だけの課金 = 従量課金がクラウドでは一般的
クラウドの形態
- SaaS
- クラウドアプリケーションをネットワーク越しにサービスとして受ける
- ビジネスや一般ユーザーを対象として提供されている場合が多い
- PaaS
- クラウドサービスを提供するプラットフォームをサービスとして受ける
- 主にデベロッパー向けに提供されている
- HaaS/IaaS
- 仮想的なハードウェアリソースをサービスとして受ける
- 主にデベロッパー向けに提供されている
クラウド導入の利点
- クラウドは非常に導入のための調達コスト・時間が短期間で済む。Amazon EC2(米Amazonが提供しているHaaS)の場合は30分程度でほぼ無制限のリソースを使えるようになる
- IT資源のオフバランス化として、使った分の課金となるので物理的なハードウェアを購入し維持していく必要がなくなるため経費としてのコンピュータ資源
- ハードウェアの見積もりが不要。物理的なハードウェアを購入する場合トランザクションのピーク時を考慮しなければならないが、クラウドの場合要求に応じて動的にハードウェアリソースを追加できるので、キャパシティをコントロールでき無駄がない
クラウドの分類
各ベンダーが自社の特色を出した製品を出したがっているので分類は広がっている
今回城田氏は4つに分類した
公衆回線 |
専用線・VPN |
イントラネット |
|
外部プロバイダ |
パブリック・クラウド | バーチャルプライベート・クラウド | |
ユーザー企業 |
ホステッドプライベート・クラウド | オンプレミスプライベート・クラウド |
- パブリック・クラウド
- Amazon EC2に代表される、クラウドサービスを提供しているのも物理的なハードウェアも外部の企業が提供している形態。さらに通信には公衆回線を用いる
- バーチャルプライベート・クラウド
- クラウドサービスを提供しているのも物理的なハードウェアも外部の企業が提供している形態。しかし、その間の通信は専用線やVPNなどでセキュアに利用できる
- ホステッドプライベート・クラウド
- クラウドサービスを利用するのだが物理的なハードウェアは利用企業が所有する。ハードの運営だけを委託する形態。
- オンプレミスプライベート・クラウド
- 完全に利用企業がハードウェアもサービスも管理する。IBMの提唱するプライベートクラウドの形態
クラウドプロバイダーの特徴
クラウドネイティブ企業 AmazonやGoogleに代表されるパッケージ製品よりもクラウド上のサービスを提供することで成長してきた企業
- クラウドネイティブ企業はなぜクラウドサービスを提供するのか
- Amazon自体世界最大規模のオンラインショッピングサイトを運営しており、そのリソースの余った部分の時間貸しという形で開放したのがAmazon EC2
- Googleが開放しているPaaS Google App Engineはある一定量まで無料で利用することができる。Googleの場合は無料でプラットフォームを開放してもその上で面白いWebサービスが誕生すれば結果としてインターネット広告収入を期待できるから
- もともと所有していたリソースの有効活用法の1つとしてクラウドサービスを提供している
- クラウドネイティブを追いかけるクラウドイミグランド
- MicrosoftやIBMなどのパッケージ製品でこれまで大きな利益を上げていた企業も、クラウド時代にも覇権を握ろうとクラウドネイティブを追いかける
- Microsoftの場合はクラウドサービスとソフトウェアの連携をはかるようにすること、相乗効果を狙う。
- Google App EngineはGoogle流の開発手法を新たに学習しないといけないが、Windows Azureの場合は既存の開発環境VisualStudio?で開発でき、学習コストの低さを武器の一つにしている
- 地域によって変わるクラウドプロバイダー
- 米国の場合はクラウドネイティブ企業を中心としてクラウドサービスを提供している
- 日本の場合はハードウェアメーカーと通信業者が中心で、クラウドネイティブ企業は残念ながら大規模クラウドサービスの提供の予定はない
- 地理的な制限として、米国は日本の電気代が1/3程度で価格競争は難しい。日本でサービスを提供するなら何かしらの利点が必要になるのでは無いか
- 日本国内のデータセンターの有力地として北海道があげられる。気温が低く冬場の雪を地下に保存して夏場に使うことができないか検討されている。また、試算では東京の一等地(現在は保守の祭に技師が駆けつけやすいという理由)にある場合と比べ90%近くの効率の良さが示されている。
クラウド化の利点/欠点
- サービスを提供する側の利点
- PaaSなどを利用する場合ハードウェアそのものの維持に対して気を使う必要がなくなるので、アプリケーションの開発により専念できる
- アプリケーションのSaaS化によって利用者側の利用のための敷居(ソフトウェア導入やコスト)が下がる。提供する側にとって適切にライセンス収入さえあればいいので販売チャンネルが広がることは大きな利点になるはず
- 安く調達できるならそれをりようして、素早くサービスを提供する方がチャンスがある
- 株式会社ユースの事例。自社でデータセンターを抱えているにもかかわらず、コスト競争力の関係でAmazon EC2を採用
- 株式会社アイテックの事例。高校生向けの情報処理試験のサイト、ただし、運用されるのは1日だけ。非常に先読みが難しいのだが、Amazon EC2を利用したことによりわずか3万円程度でお此方
- ハードベンダーにとっての欠点
- DELLなどの巨大ハードベンダーはすでにMicrosoft/Yahooなどのクラウドプロバイダーに売り込みをかけており、国際的な競争力が非常に大きな企業と競争して、数少ないクラウドプロバイダーにこれまでのハードメーカーは売り込めるのか
現状のクラウドの問題点
- 情報開示不足
- 現在どのようなセキュリティ対策や利用者のデータの取り扱いについて、明確に規定しているところは少ない。
- クラウドプロバイダーの囲い込み
- 各クラウドプロバイダー毎にサービスの仕様が違い、そのままの移植が難しい。
- 業界団体もあるがGoogleやAmazon/Microsoft等の主要プレイヤーが不在で実質機能していない
- モバイルブロードバンドの普及
- フォーラムの開式の挨拶の時にあったが大分県のブロードバンド普及率は99%近く。モバイルブロードバンドに関しても年度内には99%近くになるそうだ。
- 残念ながら本当の意味でのモバイルブロードバンド(WiMax?/XGP/LTE)の普及は2012年以降になる予定
Q&A
- Q.仕事のスタイルやライフスタイルはどう変わるのか?
- A.クラウドがあれば家でも仕事できるようになる
- 今回のインフルエンザなどの場合感染を防ぐために在宅ワークなどの仕組みもある
- 技術的にはすでに成熟しているが、企業内での解決しないといけない問題が多いと思う
- A.クラウドがあれば家でも仕事できるようになる
- Q.モバイルブロードバンドの環境はどの程度の速度があればいいのか?
- A.動画をシームレスに見るには20M位必要なんじゃないか。それ以外のテキストベースの環境なら10Mもいらないと思う
第二部 パネル討論会 "理想のクラウド像に向け" memo
パネルセッション部分の資料は後日ハイパー研のサイトにて公開予定
佐伯市の松岡課長のクラウド話
- Mr.ホストコンピュータの異名を持つ松岡課長がクラウドサービスを利用する方針に転換したのは、総務省の推進している自治体システムの共同アウトソーシング = プライベートクラウド
- メインフレームの問題点として
- 各システム間の互換性・利便性の低下
- システム保持の問題
- 財務状態の改善が急務
- メインフレームの問題点として
山戸課長より自治体クラウドのお話
- ホストコンピュータが変化について行けなくなった
- 約5年ごとにシステムを一新。ホストコンピュータからベンダーの撤退。電算室の維持設計の非常に大変。各種の法改正などにシステム全体を一新しなければならない
- そしてなにより、お金がかかる。
- LG1(ローカルガバメントOne 全ての市町村をつなぐプライベートネットワーク網)を利用した自治体専用のプライベートクラウド構築する計画
- 利用者の利点として、統合データベース化することで、住民が一度データを更新すると関連する全ての項目が書き換わる(これまでは、住民が関連する項目に届けを出さなければならず非効率で手間がかかっている)
- 税などの処理は自治体ごとに違う。各種データが横に連携しているので切り分けるのが大変。 それを統合DB化するのが大きな目的
Q&A
- 自治体クラウドについて Q.情報の一本化は分かる。クラウドになった場合は利用者がWebサービスとしてうけられるのか?
- A."住民を市役所に近づけない"をキーワードに、考えてはいるがその人が本当に本物かどうかを認証する方法が難しい
- 共同でデータベース化するので将来的にインターフェイスを作れば対応できるのではないかと考えている
- Q.将来的に九州全域に広げるのか?
- A.それはもちろん。現在話が進んでいる が、調整などの結果今回は3県で
ネットワン藤田さんのお話
- 本当にオープンなクラウドというのは、ネットワークなどのリソースさえも自分たちの好きなものを選べるというの
スティーブのお話
- 地方のSIerは厳しい。東京だけでは食えないし、地方にも市場がない。以前から早く安くは求められていて、単価をさげるトレンドは以前からある。いったん下がると景気がよくなってもあがらない。
- スーパークラウド! スーパーマンのようにクラウドは地方業者を助けてくれるか?
- 今すぐ、全世界的に発信できるクラウドの利便性
- 地方の地理的な問題で中心部と比べてハード調達コスト(時間も含む)がかかる。しかし、クラウドなら境界が無く地方業者にとって都心部との競争力増加につながるのではないか
- ネットワークやインフラ部分なども任せる事が出来るので開発・検証の工程が減らすことが可能。
- モールベンダーが自社で管理するのとクラウドに一任するのは信頼性の面で案外変わらないんじゃないか
- クラウドへの参入コストは低いので投資回収も早期に可能。新規事業への投資も抵抗が少ない
- 販売チャンネルがそれだけ広がることになるので、世界に目を向けるなら日本人だけの目線ではダメ
- せっかくチャンスがあるのだから見とれているだけでは苦しくなるだけ。by スティーブン
城田さんのまとめ
- クラウドに課題があるのは事実。クラウドを使わない理由はいくらでもある。それを上回るメリットがあるのは事実。
- 1年間に8時間程度止まるかもしれないが、それが嫌なら使わなければ良い。
- クリティカルな部分以外から導入を検討してみる価値は十分にある
- インターネットの上でビジネスするのは信じられない時代があった それがクラウドに変わるだけ
なんだかこんな感じのエントリーが多くなると、いかにもBlogって感じがして良い感じ;p
全然関係ない話ですが、MacBook Proってバッテリーかなり持ちますね。
8時間は嘘にしても5時間半はいけそうな雰囲気でした。
なんせ会場は電源がない・無線が無い状況で、いざというときのために購入しておいたEMチャージが大活躍!
EMチャージでネットワーク繋ぎっぱなしで、画面光度を暗くして、キーボードバックライトをOFFにした状態で4時間持ちましたね。それで後1時間半は大丈夫って表示されてましたし、すごいよMacbook proさん!!
ただ、全部併せて通過したパケットは6MB程度。Twitterやるだけなら、tsudaるだけならWILLCOMでも十分という結論;p